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ABOUT

~舞台からスクリーンへ~
シェイクスピアの国の英国ロイヤル・バレエ団が誇る傑作、巨匠ケネス・マクミラン振付のバレエ「ロミオとジュリエット」が劇場を飛び出し、今までに無い形でスクリーンに登場!

短い生を情熱的に駆け抜けたロミオとジュリエットの物語が、16世紀のヴェローナの街を再現したロケーションと精巧なセットで撮影。名曲プロコフィエフの音楽に乗せ現代的でスピーディな演出と劇場用映画ならではのカメラワークにより、さらにドラマティックな形で表現された。

キャストとして登場するのは脇役に至るまで、演劇的バレエでは他の追随を許さない英国ロイヤル・バレエを代表するダンサーたち。映画『キャッツ』で白猫ヴィクトリア役を演じて話題をさらったプリンシパル・ダンサー フランチェスカ・ヘイワード、そして期待の若手ファースト・ソリストのウィリアム・ブレイスウェルが、運命に翻弄された恋人たちを演じる。また敵役のティボルトには、マシュー・ボーン版『白鳥の湖』で男性の白鳥として主演し、今バレエ界で最も熱い視線を浴びるプリンシパル・ダンサー マシュー・ボール。本作では原作の登場人物の実年齢に近い、若いダンサーたちが主要なキャストとして選ばれ、演技と共にバレエの超絶技巧も披露。

監督は、ボリショイ・バレエの内幕を描いたドキュメンタリー「Strictly Bolshoi」でエミー賞受賞のマイケル・ナン。撮影監督のウィリアム・トレヴィットと共に“バレエボーイズ”を結成した彼は英国ロイヤル・バレエ団で活躍し、日本のKバレエ・カンパニーの設立メンバーでもあった現役のダンサー、振付家であり、欧州放送連合主催の国際テレビ祭のローズ・ドールや、プラハ国際テレビフェスティバルなどでも受賞している

誰もが知っている『ロミオとジュリエット』の物語が、誰も観たことがない形で生き生きと、鮮やかに銀幕上で言葉を必要としないバレエとして再現される。この画期的な瞬間を見逃さないでほしい。

STORY

キャピュレット家のジュリエットとモンタギュー家のロミオは情熱的な恋に落ちるが、2つの家は対立している。ひそかに結婚する2人だが、運命のいたずらによりロミオはジュリエットの従兄弟ティボルトと決闘、彼を殺してしまう。ロミオは罰としてヴェローナから追放される。

ジュリエットは両親によってパリスとの結婚を強いられるが、それを逃れるために毒薬を飲んで仮死状態となって、ロミオの元に行く計画を立てる。だが彼女のメッセージはロミオには届かず、ジュリエットの死の知らせを聞いて戻ってきたロミオはキャピュレット家の墓所で命を絶つ。仮死状態から目覚めたジュリエットはロミオの亡骸を発見し、胸を刺して後を追う。

CAST&STAFF

CAST

ジュリエット:フランチェスカ・ヘイワード

ロミオ:ウィリアム・ブレイスウェル

ティボルト:マシュー・ボール

マキューシオ:マルセリ-ノ・サンベ
ベンヴォーリオ:ジェームズ・ヘイ
パリス:トーマス・ムック
キャピュレット卿:クリストファー・サウンダース
キャピュレット夫人:クリステン・マクナリ-
乳母:ロマニー・パイダク
ローレンス神父:ベネット・ガートサイド
ロザライン:金子扶生



STAFF

監督:マイケル・ナン
撮影監督:ウィリアム・トレヴィット

振付:ケネス・マクミラン
セルゲイ・プロコフィエフ
美術:ニコラス・ジョージアディス

INTERVIEW

インタビュー:マイケル・ナン監督


――なぜ、このユニークな、劇場用映画の尺となっているロケーション撮影のバレエ映画を製作しようと思ったのですか? 「ぼくたち(監督と撮影監督のウィリアム・トレヴィット)は16歳の時に、写真という共通の興味を通して出会いました。以来、レンズを通してダンスを観ることの可能性に魅せられてきたのです。ぼくたちの、ダンサーとして、そして監督としてのキャリアの中で、映画というのはとても大きな役割を果たしてきました。

初めての長編映画「Young Men」を製作した後、BBCはぼくたちに次は何を作りたい?と聞いてきました。「ロミオとジュリエット」がちょうどいいのではないかと思いました。誰もが知っている古典的な物語で、プロコフィエフの壮大な音楽とケネス・マクミランによる巧みな振付と組み合わせれば、観客はスクリーンの中で何が起きているかを理解するのに言葉などいりません。新しく革新的なことに挑戦する、またとない題材でした。ロケ撮影の長編映画で、ダンスの言語だけで語られた作品。この映画が、これから続く多くのバレエ映画の最初の作品になればいいと思います。」

――なぜロケ地にブダペストを選んだのですか? 「本作のプリプロダクションをしている時に、この映画を撮るのに最適な場所はどこか決めるため、様々な場所をロケハンしました。最初は小さなイタリアの町々を見に行きましたが、21世紀の痕跡を取り除かなくてはならず、予算的にもロジスティクス的にも難しかったのです。代わりにある友人が、ハンガリーにあるコルダ・スタジオを推薦してくれました。ここはブダペスト郊外、車で一時間くらいのところにあるエチェクという小さな町にあります。行ってみると、ルネッサンス時代のイタリアの町に見えるように作られた素晴らしい野外の撮影場所がありました。完全に野外で「ロミオとジュリエット」の物語を伝えるために求めていたすべてのものがありました。たくさんの路地や小さくて心地よい部屋などが映画用のスタジオの中にあり、様々な映画プロジェクトに使えるようになっていたので、細かい点まで望み通りにできるように必要なことは何でもできました。コルダ・スタジオのチームとの仕事によって、まるでヴェローナにいるように感じられたのです。完璧でした。」

――バルコニー(パ・ド・ドゥ)のシーンはスタジオで撮影されたのですか? 「バルコニーシーンは、コルダ・スタジオで撮影されました。ダンサーたちが跳躍し、きちんと回転できるようにするためには、ダンス用の床が必要でした。そのため、ジュリエットの庭にダンス床を敷きました。
このシーンを撮影した夜、天気が下り坂になり嵐が起きる予兆がしました。私たちは雨に警戒し天気予報を頻繁に確認し、その晩の撮影をキャンセルするという最悪のシナリオに備えていました。幸いなことに幸運の女神が微笑み、雨が降りませんでした。バルコニーシーンで吹いている風は完全に自然のものです。風を起こす機械は持っていませんでした。また、バルコニーシーンを撮影した日は偶然にもフランチェスカ・ヘイワードの26歳の誕生日の夜だったので、関係者にとってはとても特別な夜でした。」

――撮影期間は? 「撮影期間については、出演者たちのスタミナと、彼らのダンスが最高のものになることを考慮する必要がありました。ひとつのシーンに何時間もかけて、何テイクも撮影して完璧なものにするという贅沢は現実的ではありませんでした。振付はダンサーたちにとって苛酷なものだからです。パフォーマンスのクオリティを維持するために、物語を進めて感情の勢いを持ち続けるために、撮影はとても速いペースで進み、映画全体はわずか6日間で撮影されたのです。また、すべてのシーンを順撮りで撮影したことも功を奏しました。3週間かけてコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスですべてのリハーサルを行い、スタジオの床にロケ地と装置のデザインをテープで貼り、ダンサーたちがセットで撮影する時にはどんな感じなのかを把握できるようにしました。その期間に、スタジオですべての様子を撮影して、前もってカメラアングルを計画しました。後になって思うのですが、もし撮影期間が6日を超えてしまっていたら、映画でのパフォーマンスの力強さに結実した、キャストやクルーの感情の高揚感を失ってしまっていたかもしれません。」



――撮影中の印象的なエピソードについて教えてください。 「舞台裏のトリビアやエピソードをご紹介します。
◎騎士たちの踊りのシーンでは、ギャリー・エイヴィス演じるヴェローナのエスカラス公が背景にいるのを見ることができます。
◎ファースト・シーンに出てくる小さな男の子は、(監督マイケル・ナンの)末の息子です。
◎ジュリエットのベッドを含む、舞台で使われているいくつかの道具がロイヤル・オペラ・ハウスからブダペストへと輸送されました。
◎薬局のシーンは映画のために作られましたが、セットや衣装替えによる制約のため、舞台版には登場しない場面です。
◎市場のシーンは37度という暑さの中で撮影されました。
◎最初の場面でベンヴォーリオ役のジェームズ・ヘイは最初のテイクでリンゴをかじりました。場面のつじつまを合わせるため、彼は結局20個ものリンゴを食べる羽目になりました。
◎ロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオと乳母のシーンは、撮影が行われた路地に砂利が敷いてあったので運動靴を履いて踊りました。
◎「ロミオとジュリエット」の舞台版では娼婦たちは鬘を付けていますが、映画では地毛で登場しています。出演者全員、メイクは最小限です。
◎墓場のシーンで、ジュリエットは通常ナイトドレスを着てトウシューズを履いています。映画の中では、舞踏会のドレスを着て裸足です。
◎撮影されたもののカットされたシーンの中には、追放されたロミオの場面や、ティボルトが死んだあとキャピュレット夫人が雨の中を歩いていくシーンなどがあります。
◎スコアは撮影期間の半年後に録音されました。セットでは、出演者たちは仮の音源で踊りました。
◎ロイヤル・バレエのダンサーたちが毎日クラスレッスンを受けられるように、仮設のダンススタジオがスタジオの使われていないオフィスビルの中に作られました。」

――ソードファイトの場面で雨を降らせたのはなぜですか? 「なぜかわかりませんが、ぼくたちはいつも、ティボルトが死んでキャピュレット夫人が嘆き悲しむ場面は雨の中、雷鳴がとどろく中で行われると想像していたのです。これは様々な意味で物語にとって効果的なドラマティックさを加えていると感じています。物語の残りのトーンを定める決定的な瞬間であり、登場人物がとても複雑で様々な顔を持つ存在へと変わっていく時でもあります。シェイクスピアの物語、マクミランのバレエにおけるとても顕著な転換点を、視覚的にもドラマティックで象徴的な要素で見せることは重要だと感じました。特に雨の効果がこの瞬間をとてつもなく印象的にしています。嵐の瞬間までは観客は強い陽射しと暑い気候によって街の人々がいつもと違う態度を見せるようになり、普段よりもずっと激しく真剣なソードファイトへとつながります。ここに、登場人物たちの転換点があります。雨嵐を象徴的に使うことで、観客への効果、インパクトを高めたいと思いました。」

――それぞれのダンサーを役にキャスティングした理由を教えてください フランチェスカ・ヘイワード/ジュリエット
ウィリアム・ブレイスウェル/ロミオ
マシュー・ボール/ティボルト

「バレエの世界では、誰もがキャスティングされることに慣れており、キャスティングは見えないところで行われています。しかし本作では、キャスティングをオープンなプロセスで行いたいと思いました。大きなバレエ団でヒエラルキーがどのように作用しているかはよくわかっていました。ロイヤル・バレエの芸術監督であるケヴィン・オヘアの権限を委譲され、私たちで役を決めました。ケヴィンはバレエ団のダンサーたちに、事前に、映画のキャスティングは実際の公演の(キャスティング)とは関係なく別であると説明しました。ロイヤル・オペラ・ハウスでのパフォーマンスは関係ないと。ぼくたちはそれぞれの役に、まず6、7人のダンサーを選び、同じ部屋に集めてカメラでスクリーンテストを行いました。全てのダンサーがステップを踊ることができるのはわかっていたので、テクニックを超えた何かを求めていたのです。ある役を演じたら素晴らしいだろうと思ったダンサーが、実際には別の役の方がもっと合っていたということもあり、それは嬉しい驚きでした。」

「ウィリアム・ブレイスウェルは、主要な役はすべてプリンシパル・ダンサーが踊ると思っていました。しかしスクリーンテストを行っている間に、スクリーンの中のダンサーを見ることで誰がこの映画に合っているかということが、どんどん明らかになってきました。ウィリアムはとても自然で力みのない性質を見せました。若さと成熟のちょうどよいバランスですべてを演じていたのです。彼はとても感動的なロミオになるだろうと見て取れました。」

「フランチェスカ・ヘイワードもまた、とても自然な性質を持っています。彼女は感情を控えめに、とても繊細に表現します。カメラにとってそれは魔法のようです。彼女はとても若々しいけど同時に落ち着いている面もあり、そして美しい。スクリーンで演じているその姿は光り輝いています。彼女はジュリエット役に選ばれるべき人でした。」

「マシュー・ボールはロミオ役にキャスティングされなかったことに最初は残念がっていました。なぜなら彼は明らかにこの役に選ばれる人だったのですから。だから彼はティボルト役にキャスティングされて最初は驚いていました。彼が他のダンサーたちとキャスティングのために部屋にいるのを見てすぐに、物語の主役よりも、もっと複雑な役を演じられるだろうと。 通常ティボルトはもっと年上のダンサーが演じますが、他のキャストと同年代とすることで、物語や登場人物たちとの関係において新しい視点が生まれました。マシューはこの役で本当に輝いていて、この役を最大限生かしてくれました。」